先週の土曜日は、茶道・裏千家の初釜がホテルの日本料理レストラン内で行われた。
ジャカルタには、2名の裏千家の師範の免許を持つ先生がおられる。
どちらも、40数年前に日本の戦争賠償留学生であったインドネシア人のご主人と日本の大学で知り合い、船でジャカルタにお嫁に来た日本人女性である。私の大先輩に当たる方々だ。
その2名の先生の下に、35名の日本人女性と5名のインドネシア人女性が生徒として月二回茶道のお稽古をしている。
私の土曜日のクラスには3名のインドネシア人女性がいるが、いづれも日本人より熱心で、いつも他人のお手前を見ながらメモっている。
お稽古を始めてまだ一年にならない私は、先生が忙しい時はインドネシア人の先輩に教えてもらう事も多い。
今年の初釜の出席者は23名。
お手前の道具やお茶碗を出し、日本館のお座敷に設置する作業が約1時間続いた。
掛け軸を掛け、お花を活け、柳(中華系インドネシア人は“リュウ”と呼んでいた)を飾り、立派な床の間が出来上がった。
23名の女性が一人づつ茶室と化した座敷に入り、床を拝見し一列に座る。
主菓子(花びら餅)が出され、先生が濃茶を立てて下さる。
先生のお手前が見られるのは、年に一回、この初釜の時だけだ。
お手前は立礼棚(りゅうれいだな)と呼ばれる卓子で行われた。
今晩眠れないのではないかと思うくらい濃い濃茶を5人一組で頂く。
その後、干菓子が出され、もう一人の先生が薄茶を立てられる。
正客は先生の立てられた薄茶を頂けるが、その他多数は裏方が立てた薄茶を頂くことになる。
この間2時間ほどで、普段こんな長時間、正座しない私達にはとてもきつかった。。。皆モジモジして、足を崩したくても着物を着ているので、お稽古の時のようにはいかない。
全員が濃茶と薄茶を頂いた後、茶室が片付けられ、レストランの従業員も出てきて、昼食を取る会場となった。
23名の着物の女性が一堂に会すると、素晴らしい眺めである。
この後、掘りごたつ式になったお座敷で、思い切り足を伸ばしながら、皆で楽しく懐石弁当を頂いた。
生徒さんの多くが駐在員の奥様方だが、周りの方々に聞いたところ、茶道のお稽古は日本よりジャカルタの方が様々なレベルの生徒のお稽古を見られるし、先生方がフレンドリーで、肩肘張らなくても良く、最高だと言っていた。
ジャカルタで茶道を始めた私はラッキーなのかも・・・